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遺言

賃貸物件で一人暮らし中の方へ!終活で見落としがちな注意点。遺言書での託し方をご紹介



借りているアパートやマンションにも、相続は発生する



賃貸物件で一人暮らしをしている方にとっては、遺言を書く、
という発想自体がない方が多いかもしれません。

持ち家でもないし、大した財産がないから遺言書を書かなくても大丈夫、遺言書は資産のある人が書くものでしょう?というお声も、実際に沢山耳にします。

ですが、不動産や預貯金をお持ちでない方でも、遺言書は書いておいた方がよいのです。

賃借人がお亡くなりになった場合、賃貸借契約も相続の対象となります。自動的に解約されるわけではないのです。



相続した賃貸借契約を解約するまで、家賃を支払う義務がある



賃貸借契約を相続するということは、家賃の支払いが発生するということです。
相続した賃貸借契約を解約するには、遺言書で相続人が指定されている場合を除き、相続人全員から解約の書面を提出する必要があります。

または、遺産分割協議で相続人を指定することもできますが、遺産分割協議が成立するまで賃貸借契約を解約できず、その間は相続人が家賃を負担することとなります。

相続人全員が速やかに連携して手続きができればよいのですが、遠方に住んでいたり、疎遠になってしまっている場合には手続きに時間がかかります。

長引くほど家賃の負担は増えていきますので、早期に解約できるようにしておくためにも、遺言書を書いて相続人を指定しておくことをお勧めします。

※賃貸の契約をする際に、賃借人が死亡したら契約を終了させる、という契約の仕方はできないの?と疑問に思われるかもしれませんが、現在の法律上そういった契約の仕方は原則できません(借地借家法第30条)。



賃借権を特定の相続人に相続させる遺言書の書き方



お住まいの賃貸物件の賃借権を相続させる遺言書の書き方の一例を記載しますので、ぜひ参考にしてください。
あくまで一例ですので、ご自身の状況に合わせて作成してください。


遺言書

遺言者は、次のとおり遺言する。

1.遺言者の長男○○(昭和○○年〇月〇日生)に下記建物の借家権を相続させる。

  建物の表示

  所在   ○○市○○区○○町○番地〇
  家屋番号 〇番〇
  種類   共同住宅
  構造   木造スレート葺
  床面積  ○○.○○㎡
  (所有者 ○○)


※建物については所在と家屋番号の記載だけでも問題ありません。
※正確に記載するには、法務局で「登記事項証明書」を取得して、記載どおりに書きましょう。

※所有者の欄には、賃貸人の氏名を記載します。

2.遺言執行者として下記の者を指定する。

  住所  ○○市○○区○○町○番地〇
  氏名  〇〇
  職業  会社員

※遺言執行者も指定しておくことが好ましいでしょう。
※遺言執行者を指定しておくメリットについてはこちらの記事をご参照ください。



まとめ



賃貸契約にも相続が発生し、解約するまで家賃の負担がかかってしまうという意外な落とし穴があります。

解約まで長引けば、家主さんも新たな借り手に借りてもらいたいのに賃貸に出せない、という困った事態に発展しかねません。

賃貸物件にお住まいの方もぜひ、遺言書を書くことを検討してみましょう。

弊所では、遺言書の作成サポートを行っております。
誰に相談したらよいかわからない、という方は、ぜひ弊所にご相談ください。

お会いできることを、楽しみにしております。



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